東京都は再生可能エネルギー発電拠点などの整備に投融資する「サステナブルエネルギーファンド」に10億円を出資している。元都民ファーストの会、現地域政党自由を守る会代表で都議会議員の上田令子さんは「小池都知事が進める『再生可能エネルギーファンド事業』には利益相反の疑いがあるが、小池氏は答弁を拒否した」という――。
※本稿は、杉山大志ほか『SDGsエコバブルの終焉』(宝島社)の原文を元に一部を再編集したものです。
都民は小池氏の「東京大改革」に期待と希望を寄せたが…
2016年7月31日、「グリーン旋風」を巻き起こし、自民党推薦候補から100万票以上の大差をつけた東京都初の女性都知事が誕生しました。
その名は「小池百合子」。
就任早々、「都民が決める。都民と進める。これが私の目指す都政の姿であります。常に都民ファーストで、透明性を高め、皆様の理解を得ながら『都民の、都民による、都民のための都政』を行ってまいります」と表明しました。
当時、都政は「自民党ドン政治」と呼ばれる旧態然とした利権主導の「古い政治」がまかり通っており、新人議員であった私も相当に手を焼いていたことから、都議会で唯一、いの一番に名乗りを上げて彼女を応援してしまいました。
都民も「東京大改革」で世の中が変わると期待と希望を寄せたことでしょう。
「自分の政治生命ファースト」でしかなかった
あれから8年……。その小池知事が何を行ったかといえば、新築住宅太陽光パネル義務化設置条例の可決・成立。「再開発」「再整備」の名のもとに、人々の憩いの場である神宮外苑や各地の都立公園の樹木を次々と伐採。
長年親しまれた風景を壊し、悪趣味な建造物を建て続けるなど、都民を顧みぬ独善的な施策を次々と打ち出しました。
結局、自分の政治生命ファーストで、再エネなど新たな利権のための都政を強引に進めた小池知事への希望は失望となり、今や絶望に変わり果てています。