「北海道の風力発電」に都民の血税を10億円投資

また、都が再エネ発電所などに投融資するファンドの第1号案件として、北海道豊富町で2024年3月2日に運転開始した風力発電事業に投資する件も看過できません。

ファンドの運営主体「TLDファンドマネジメント合同会社」(株式会社Looopにより設立。なお、本ファンドには東京都のほか、株式会社センコーコーポレーション、東銀リース株式会社、株式会社Looopが投資家として参画)と投資先の事業主体「豊富Wind Energy 合同会社」(Looopと中部電力が共同出資)について、どちらもLooop社が関与していることに即懸念を抱きましたが、「利益相反などの問題はチェックしたうえで投資判断している」と報道されていました。

そもそも、世界的にESGファンドが大暴落しているというのに、なぜ都民の血税を10億円も使って、利益相反が疑われる再エネファンドをやらねばならないのでしょうか。

風力発電機
写真=iStock.com/Tony Studio
「北海道の風力発電」に都民の血税を10億円投資(※写真はイメージです)

本当に都民生活に寄与するのか?

都は「本ファンドは、都の出資を呼び水に民間資金やノウハウを引き出し、再生可能エネルギー発電所等の整備促進を図るもの」としていますが、都民生活の何に寄与するのかまったく理解ができません。

しかも、技術力を要する利益相反のチェックを誰がどう行うのか。出資金回収情報が非開示であるなか、出資金をいつまでにどうやって回収するのか。ファンド終了までに、支払い想定が運用益などを上回らないのか。また、公益が加わる投資プロジェクトの撤退時期の判断が鈍らないのか。疑問は尽きません。

これらを実際に質したところ、「ファンド運営は、専門性を有する事業者にゆだねつつ、都は定期監査など、外部専門家の助言を得ながら適切にモニタリングを実施する」との回答。

しかし、この「外部専門家」というのも胡散くさいこと、この上なし。新エネルギーファンドのベンチャー企業系専門家や、Looop社との相関関係にも、私は疑いの目を向けております。