そろそろ最終回が近づいてきた2024年冬の人気恋愛ドラマ。代表的な2作品に関する視聴率やSNSを分析した次世代メディア研究代表の鈴木祐司さんは「最も特徴的だったのは、従来の日本ドラマになかった韓流要素への視聴者の反応。女性は悶絶し、男性は拒んだ。また、テレビ局は放送時の視聴率だけでなく、その後のネット配信でのマネタイズを重視し、新たなビジネスへと進化させるために模索している」という――。

2024年冬ドラマは最終盤。いくつかの作品はすでに最終回を終え、“恋愛ドラマ”対決となったフジ月9「君が心をくれたから」とTBS火10「Eye Love You」も間もなく終了する。両者とも視聴率は似ているが、細部をみると大きく異なる。今、テレビ局はネット配信でのマネタイズを重視している。ところが特定層の視聴率を分析すると、そこでの手法に違いが生じ始めており、さらに新ビジネス開拓の余地が生まれてきていることがわかる。

画像=フジテレビ「君が心をくれたから」公式サイトより

両ドラマの支持層

永野芽郁主演「君ここ」は、長崎を舞台に“過酷な奇跡”が引き起こすファンタジーラブストーリー。対する「Eye Love You」もファンタジーを前提にした恋愛ドラマだ。心の声が聞こえる“テレパス”を持つ役柄の二階堂ふみが、超ストレートな年下韓国人・チェ・ジョンヒョプと恋に落ちる。

両ドラマの見られ方の差を、特定層の視聴率まで割り出すスイッチメディア「TVAL」のデータを比較しながら確認してみよう。

【図表】恋愛2ドラマの特定層別視聴率
筆者作成

「君ここ」(ピンク線)は高校生から20代の恋を描いているためか、T~1層(男女13~34歳)で上回った。また高校生男女や、男子大学生も同様だった。中には2割以上も率が高くなった層もあり、純愛物語がどの層を惹きつけるかよくわかる。

ところが「Eye Love You」(青線)が逆転した層もある。女性では2層(35~49歳)で約2割上。また若年層でも女子大生は「Eye Love You」に軍配を上げた。単なる純愛ではなく、日韓の文化差や仕事と恋愛の関係などが垣間見え、大人が見る恋愛ドラマとなっていたかもしれない。

ここで1つ、押さえておきたい層がある。3~4層(男女50歳以上)で「君ここ」が上回った点だ。特に75歳以上に至っては、1.5倍も差がついた。これは「君ここ」が好まれたというより、「Eye Love You」が敬遠された側面があったのかもしれない。