元大阪市長・大阪府知事で弁護士の橋下徹さんであれば、ビジネスパーソンの「お悩み」にどう応えるか。連載「橋下徹のビジネスリーダー問題解決ゼミナール」。今回のお題は「大国の交渉術」です――。

※本稿は、雑誌「プレジデント」(2024年1月12日号)の掲載記事を再編集したものです。

元大阪市長 橋下徹氏
撮影=的野弘路
早稲田大学政治経済学部卒業。弁護士。2008年から大阪府知事、大阪市長として府市政の改革に尽力。15年12月、政界引退。最新の著作は『折れない心 人間関係に悩まない生き方』(PHP新書)。

Question

緊張緩和が期待される中での「発言」は是か非か

2023年11月、中国の習近平国家主席と米国バイデン大統領が約1年ぶりに会談しました。アジア太平洋経済協力会議(APEC)の出席者の一人として訪米した習主席でしたが、米国は郊外の豪華施設へ招待するなど厚遇し、両国の緊張緩和へ期待を高めました。一方で会見後の記者会見ではバイデン大統領が習主席を「独裁者」と表現し、友好ムードに水を差すシーンも。米国の「右手で握手をしつつ、左手で相手を殴る準備をする」交渉方法に私たちが学ぶべき点は何でしょう?