※本稿は、ジョン・アメイチ『巨人の約束 リーダーシップに必要な14の教え』(東洋館出版社)の一部を再編集したものです。
チームワークを強化する「同僚との接し方」
読者にはもう一つ、同僚たちに対して個人的に約束してほしいことがある。同僚がいる間はずっと誠実に向き合い、あなたが相手を必要とするときや何かをやってほしいとき以外にも、常に彼らと向き合うと約束してほしいのだ。
都合のいいときだけやって来るマネージャーや同僚に対して、この人は自分を利用しているとか、操ろうとしていると感じた苦い経験がある人は多いだろう。受信トレイに彼らからのメールが届いた瞬間に、何かを頼まれそうだと察知する。にもかかわらず、あなたが話しかけると、彼らから歓迎されない邪魔な存在であるかのように、気が進まない様子で対応されることが多い。
というわけで、そんな人間にはならないと約束してほしいのだ。これはつまり、常に無私無欲の状態で人と接し、質が高くて有意義なやり取りをすると約束することだ。オフィスのドアを開け放して、毎日同僚たちとおしゃべりして過ごせと勧めるわけではない。むしろ自分の時間をもっと有効に使ってほしい。
この約束を果たせば、同僚との絆が強まってチームワークの文化を強化できるだろう。お互いをよく知り、真の同僚として結びついたチームメイトは、パフォーマンスが上がることが証明されている。
意図的に集中して注意を払う
この約束を果たすには、まずは実用的なマインドフルネスを常に実践しよう。“マインドフルネス”と言っても、お香を焚いてお経を唱える僧をイメージしてはいけない。ここで話しているマインドフルネスは、そういう意味ではない。
マインドフルネスは、ただの風変わりなスピリチュアルな風潮ではない。本質的には、何かをやっている間はその物事に意図的に集中して注意を払うことだ。部屋に入った途端に、しばし立ち止まって何をしようとしたのか、その部屋に来た理由を忘れてしまったことはないだろうか? 目的があって携帯電話を手にしたのに、アプリやメッセージや通知といった雑念の沼にはまって、やろうと思ったことをやらずじまいだったことは?
職場の廊下で誰かと簡単な会話を交わしたときや、オンライン会議で小さなグループで話し合ったときに、会話をまったく聞いていなかった、または後で思い返して何も覚えていなかったことが何度あるだろうか?