乱世でも会社に居座れる2つの方法とは
解雇されるべきでない社員が解雇されると、当の社員も会社も含めてすべての関係者が打撃を受ける。この問題を解決するには2種類の方法がある。よい方法と悪い方法だが、まず、悪いほうを含め紹介しよう。社員の側が、今のような時代に自分の職を守りたいと思う場合には、次の2つの方法がある。(1)とにかく卓越した仕事をする。目標を効果的に達成すればするほど、解雇される危険性は少なくなる。会社はその生産性を評価するからだ。(2)とにかくわかりにくい仕事をする。目標をあいまいに達成すればするほど、会社はその社員を解雇しにくくなる。会社は不確実さを恐れるからだ。
2つ目の方法には、問題が2つある。1つは裏目に出る恐れがあることで、わかりにくさの度がすぎると解雇されることがある。自分で思っているほど優秀ではない場合はとくにその危険性が高い。2つ目は、この戦略は、当の社員個人には役立つかもしれないが、会社には打撃を与えるということ。そして、いずれはその社員個人にも打撃を与える可能性が強い。
現在のような経済の大混乱が生じた理由の1つは、企業のリーダーが社内で起きていることを理解していなかったためだ。
「ゴルディアスの結び目」をつくることが個人の雇用を守るのに役立つのに対し、それを解くことは企業が成長力を保ち続けるのに役立つ。それはまさに今日の産業界が直面している最大の課題であろう。