明日、何が起こるかわからない時代、組織にも大きな変革が不可欠である。旧来型の組織を変えるべく、管理職がリーダーシップをフルに発揮する助けになる手法を紹介しよう。

まずは自分自身の「初期設定」を知ることからはじめよう

変化の激しい世界でリーダーシップを発揮したいなら、自分と組織内の人たちに、リスクをとり、より臨機応変に対処することを覚えさせる必要がある。

リーダーシップの実践は、医療と同じ、2つのプロセス、「診断」と「行動」を伴う。これら2つのプロセスは組織の内部と、自分の内部の2つの領域で進行する。組織と同じく、自分自身もまた、それなりに矛盾した価値観や利害、好みや性向、野心や不安を持つ複雑なシステムの一つなのだ。組織を指揮し、困難な課題をやり遂げようとするとき、自己のさまざまな忠節心の間の対立を経験するだろう。それは自分自身が一つのシステム(自分の組織)の中のシステム(一個人)であるためだ。自分というシステムを理解することは、組織で変革を指揮できるよう自分を調整する助けになる。