※本稿は、吉田穂波『「時間がない」から、なんでもできる!』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
自分だけの勉強机で「身体感覚」を高めパフォーマンスアップ
勉強するときや頭を使う仕事をするときには、身体感覚にも気を配る。頭をスッキリさせる、頭の回転のよい時間帯にするなど、頭だけに気を使うのではなく、からだが心地よく感じるものにも配慮することが、勉強や仕事をより充実させるためにはとても大事なことだと思っています。
たとえば、ハーバードの教室や図書館、講堂は、どっしりとした大理石の入り口から重厚な椅子まで、こちらの気分を高尚なものにしてくれる雰囲気に満ちていました。
ここでは「世界のためにいいことをしよう」「世界で初めての発見をしよう」という方向に気持ちが向きます。
最近のセミナーやワークショップでも、学びの「場」や「環境」が内容と同じくらい重要視されていると聞きます。これはその場で感じる身体感覚にも配慮されるようになった、ともいえるでしょう。
私も勉強や頭を使う仕事をするときには、身体感覚が大事だと思っています。そのひとつのこだわりは、自分専用の机です。
学生時代は自分専用の机をもっていても、社会人になってから、あるいは結婚を機に手放してしまったという人は多いかもしれませんが、私はずっと自分専用の机をもち続けています。これは夫も同様なので、我が家には常に夫と私の机がふたつあります。
今はマンションの一部屋を夫婦の書斎にしてそこに机を置いていますが、部屋数が少ないマンションに住んでいたときには、リビングの一角にふたつの机を並べていました。
毎朝、午前3時に起きて顔を洗うと、私は自分の机に向かいます。窓の外はまだ真っ暗で、静寂に包まれています。
椅子に座り、机のライトをカチャリとつけて背筋を伸ばします。家事や育児など勉強以外のことに追われているときでも、ここに座ると気持ちがキリッと切り替わり、からだのスイッチが勉強モードになる感覚があります。
「やる気」だけに頼るのは心もとないものです。机などの場をはじめ、習慣のなかにいくつかの切り替えスイッチをもっていると、やりたいことに対して自然なかたちで心とからだを向かわせることができます。
私の机は、心とからだのスイッチをオンにするきっかけのひとつ、といえそうです。