快楽を求めた先には何があるのか。34歳のIT関連会社で働く女性は、16歳からセックスのために異性を求め、援助交際や風俗勤務も経験してきた。社内恋愛は禁止されているが、ダメと言われると手を出したくなるという。ライターで編集者の沢木文さんが書いた『沼にはまる人々』(ポプラ新書)より紹介しよう――。(第5回)

※本稿は、沢木文『沼にはまる人々』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。

女性の手は情熱的に赤いベッドシーツを絞ります
写真=iStock.com/M-Production
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どうすれば、すぐに“性交渉できる”か

IT関連会社で働く玲奈さん(仮名・34歳)は、16歳の初恋からセックス沼にはまり続けている。

「寝た男性の数は100や200では利かない。旅先で外国籍の人ともしたことがあります。でも、レイプはされたことがないんです。こっちが押し気味でロックオンする気迫があると、男性からはこないのかもしれない」

玲奈さんは黒のロングヘアに黒ブチメガネをかけており、化粧っ気がない。眉毛もボサボサで地味だが、肉感的な体つきをしていることがわかる。

「正直、それなりの人だったら誰でもいい。何か光るところがある人だと思った瞬間に、ベッドに入ることを前提に誘導しています。女友達としゃべっていると、みんなは性交渉を駆け引きの道具に使っている。

男性に我慢をさせて、いかに『やらずに引っ張れるか』を戦略的に考えています。そのほうが大切にされると言うんですが、『大切にされる』ってなんですかね? 私はそれとは真逆で、『どうすればすぐできるか』を考えています。だから女の子同士で話が合わないんです」

女友達は、すぐに相手の家やホテルに行ってしまう玲奈さんに対して、「もっと自分を大切にしな」と言う。学生時代は「玲奈がすぐにヤっちゃうと、ウチらも同じように見られるからやめてほしい」などと言われていたという。