「導入延期」が現実的な解決策か?

いま、さまざまな団体から「インボイス制度反対」の声が上がっています。

日本商工会議所が発表した「令和5年度税制改正に関する意見」によると、インボイスがなくても、会社から免税事業者に支払った消費税は100%控除してもいいんじゃないかとしています。

これなら、会社も免税事業者もこれまで通り取引できると思われますが、そうなると、益税を廃絶したいという財務省のもくろみが外れてしまいます。

また、日本商工会議所は、中小企業経営の実態を踏まえ、混乱が避けられない場合は、インボイス制度の導入時期の延長を訴えています。

【図表4】インボイス制度 国のメリット
筆者作成

最近、こうした延期の提言が各所で見られるようになりました。

このままインボイス制度の導入を強行すると、個人事業主・フリーランスの多くが売り上げを減らしたり、ひどい場合は廃業を迫られる可能性があります。

はたして財務省は、そうなってもいいという強い覚悟を持って、インボイス制度を導入しようとしているのか、個人的には疑問に思うこともあったりします。

実は、2021年の今頃も、「電子帳簿保存法」を2年間延期するというケースがありましたので、インボイス制度が延期される可能性もあるかもしれません。

そうしたことを踏まえ、インボイス制度を予定通り2023年10月にスタートできない可能性が、日に日に高まっているようにも思えます。

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