※本稿は、安保雅博『歩幅を見れば、寿命がわかる 「死ぬまで歩ける体」のつくり方』(アスコム)の一部を再編集したものです。
無自覚のまま“転びやすい体”になっていく
筋肉は年齢とともにまんべんなく減るわけではありません。特に減りやすいのは、歩いたり立ったり、姿勢を保ったりする筋肉です。これは特別な病気がなくとも、ごく普通に年を重ねれば起こる変化なのです。中でも、一番最初に変化が表れやすい場所が、“肩”です(第1回記事参照)。
肩から始まった老いは、少しずつ、しかし確実に体全体へと広がっていきます。姿勢が崩れ、筋肉は硬くなり、力も弱くなる。関節の動く範囲(可動域)は狭まり、体の重心バランスは、気づかないうちに不安定になっていきます。
問題なのは、こうした変化の多くが「痛みを伴わずに進む」ことです。そのため、本人に自覚がないまま、体は着実に「転びやすい状態」へと近づいていきます。そしてある日─ほんの小さな段差、いつもと同じ道、少し急いだだけの一歩で、「老化による転倒」が起こるのです。
転倒を防ぐためにできることは、たくさんあります。ですが、その前に欠かせないのが、「今の自分の体が、どんな状態にあるのか」を知ることです。そこで、以下に簡単な体のチェック方法をご紹介します。特別な道具は必要ありません。自宅で、短時間でできる内容です。
もし、このチェックテストを無理なく、スムーズにできたのであれば、今のところは「老いに負けず、転びにくい体」の状態にあると考えてよいでしょう。
“転倒予備軍”のサイン
一方で、次のような状態にある方は要注意です。
□腕を上げるのがきつい
□つま先立ちでふらつく
□頭、肩、お尻、かかとが壁につけづらい(離れてしまう)
□両腕を壁に沿って下ろすとき、腕が壁から離れてしまう
□歩き始めるとき重心が安定しない
□動きがぎこちなく、うまく体を動かせない
□一つひとつの動きで「ウーッ」「イテテテ」など声が出てしまう
※体に痛みがある場合は、無理せずできる範囲でやってみてください。
こうした状態は、老いが進行し、転びやすい状態になり始めているという体からのメッセージだからです。
でも、「できなかった」=「もう遅い」ではありません。ここで大切なのは、うまくできなかったからといって、落ち込む必要はないということです。むしろ、「今、気づけた」こと自体が、転倒を防ぐための大きな一歩です。それでは、あなたの体の状態を次のチェックテストで確認してみてください。

