「寝室で立ち上がる瞬間」「床に置いてある物」に注意
ここでは、高齢者が特に転びやすい家の中の場所を取り上げ、「なぜ危ないのか」「どう対策すればいいのか」を、具体例とともにご紹介します。どれも大がかりな工事は不要で、今日からできることばかりです。
【自室・寝室】――立ち上がる瞬間が一番危ない
自室や寝室では、歩いているときだけでなく、ベッドやイスから立ち上がる瞬間にバランスを崩して転ぶケースが少なくありません。「朝起きてすぐ」「夜中にトイレへ行くとき」などは、特に注意が必要です。
《対策のポイント》
立ち上がるときに手をつける場所があるだけで、転倒リスクは大きく下がります。不安のある方は、左記のように手すりや柵などを活用するとよいでしょう。
・ベッドの横やイスの脇に、突っ張り棒や手すりを設置する
・寝室からトイレまでの“よく通る動線”に、一定間隔で手すりをつける
・ベッドは壁に寄せて配置する、またはベッドガード(ベッドに付けられる柵)を使用する
【居間(リビング)】――「ちょっとした物」がつまずきの原因に
居間は長い時間を過ごす場所だからこそ、油断しがちです。特に多いのが、次のような物でのつまずきです。たとえば「床を横切る電源コード」「置きっぱなしの新聞やリモコンなど」「こたつ布団やめくれたカーペット」です。いずれもどこの家庭にもあるものですが、つまずきや滑りの原因になります。
《対策のポイント》
・電源コードは壁沿いにまとめ、歩く動線をコードに横切らせない
・床に物を置かない習慣をつける
・こたつ布団は内側に入れる、カーペットの下に滑り止めをつける
「廊下・トイレ・風呂」が招く危険
【廊下・階段】――暗さと滑りやすさが危険を招く
廊下や階段は、「暗い」「狭い」「急いで通りがち」という条件が重なり、転倒が起こりやすい場所です。
《対策のポイント》
・手すりを積極的に設置する
・床に物を置かない
・階段には滑り止めシートを貼る
・滑りやすいスリッパや靴下は避ける
寒い時期に靴下を履くなら、滑り止め付きや5本指タイプがおすすめです。また、夜間でも足元が見えるよう、明るめの照明や人感センサーライトを設置するのも効果的です。
【トイレ】――「回る」「立つ」が連続する場所
トイレでは、体を180度回す動作と座る・立つ動作が連続します。立ちくらみやふらつきが起こりやすいため、転倒リスクが高い場所のひとつです。
《対策のポイント>
「もしも」のときに体を支えられる環境を整えておきましょう。便座の横や前に、手すりや突っ張り棒を設置しておきましょう。
【風呂・脱衣所】――濡れた床と方向転換に注意
脱衣所では、立ったまま着替えをするときに、ふらつきや立ちくらみが起こることがあります。不安を感じたら、イスに座って着替えるだけでも安全性は高まります。
浴室内は、「床が濡れて滑りやすい」「体の向きを変える動作が多い」という点で、転倒が起こりやすい場所です。
《対策のポイント》
・段差が大きい場合は、すのこやスロープで調整する
・手すりや滑り止めマットを設置する

