モノやサービスの値上げ・負担増となる改正ラッシュが続く一方、全国旅行支援割やリベンジ消費キャンペーンなども花盛り。FPの黒田尚子さんは「出費が知らずしらずのうちに増えてやりくりに苦心するケースが続出していますが、どんな経済状況でも貯められる人はしっかり貯められます。そうした人はお金に関する3つのスキルが備わっている」という――。
カラフルなショッピングバッグを両手いっぱいに持つ女性
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訪日外国人の爆買いにつられて消費の沼にハマる人

先日、地方出張があり、2年ぶりに羽田空港に立ち寄ったところ、外国人旅行客の多さに面食らった。ちょうど10月11日から新型コロナの水際対策が大幅に緩和され、入国者数の上限が撤廃。個人の外国人観光客の入国も解禁されたのだ。

ちょうどこの日、国内の観光需要の喚起策として全国で導入される「全国旅行支援割」やスポーツ観戦、映画などのチケット割引が受けられる「イベント割」もスタートしており、多くの日本人も今後はコロナ禍で旅行やイベントになかなか行けなかった人の多くが利用を検討しているのではないだろうか。

一方、10月1日から、さまざまなモノやサービスの値上げや負担増が続き、家計のヤリクリに苦心する人々も続出している。

これまでにない円安状態が続く日本は、外国人旅行客にとってお買い得なセール価格だが、オトクな制度を利用して賢く旅行に出かける日本人が、旅先などで爆買いする外国人を目の当たりにして、それにつられて財布のヒモが緩んでしまってはいけない。

コロナ禍で増えた支出項目は、家具家電、外食の代わりにちょっといい食材・テイクアウト・デリバリー・お取り寄せなどの食費、さらに通販での購入など。コロナが完全終息しそうもない中、これらへの支出も継続しながら、今後は旅行など行動を伴う消費も増えることになる。「リベンジ消費」商戦も繰り広げられているが、迂闊に消費の沼にハマるとその習慣から抜け出せなくなり、確実に泣きを見る。家計崩壊の悲劇をこれまでどれほど見てきたことか。

そこで、久々に旅行や買い物、イベント参加を計画している人はもちろん、日々の生活費を捻出するだけで精いっぱいという人に向けて、財布のヒモをいま一度締めるための注意喚起をしたい。