自分は何のために働いているのか。お金のため? 出世のため? それとも自分の成長のためか、はたまた家族のためなのか。長い会社員人生、そうした大義名分が崩れそうになるときもある。そんなときにも、働く喜びを実感し続けるにはどうしたらよいのか。
誰にとっても切実なこの問題について、年代を分け、2人の論客にお話をうかがった。かたやSBIホールディングス代表取締役CEOの北尾吉孝氏、かたやメンタル&コミュニケーションコーチの上村光弼氏である。
社会人の仲間入りを果たし、組織で働く喜びと難しさを感じるのが20代だ。上司と部下の板挟みにあいがちなのが30代。仕事にも慣れ、もっと成長したいという前向きの心も芽生えるが、社内を見渡してもお手本になる人がいない。この会社でこのままやっていけるのかという不安も大きくなる。
40代は差がつく年代。こんなに頑張っているのに周りが認めてくれない、出世競争で同期に敗れた。会社員の悲哀を最も痛感する瞬間かもしれない。仕事人生にも終わりが見えてきた50代、別の会社に再就職できたとしても給料、人間関係などの悩みは尽きない。
2人が異口同音にアドバイスするのは、物事を多面的に捉えよ、ということだ。夢や目標を持つのは果たしていいことなのかなど、常識にとらわれない考え方にあなたもきっと膝を打つはずだ。