8月2日から「からあげクン」の新フレーバー「ほりにし味」が全国のローソンで販売されている。この新フレーバーは、すでに今年3月、近畿エリアで限定販売され、大ヒットしている。「ほりにし味」とはいったい何なのか。そこには、競合他社に先駆けてアウトドア市場に参入するという大きな野望があった――。
全国のローソンに登場した謎の「からあげクン」
からあげクンといえば、1986年の発売以来、36年間で累計37億食を売り上げてきたローソンの看板商品である。
長寿のひとつの要因は、ファンを飽きさせないフレーバー戦略にある。基幹フレーバーは「レギュラー」と「レッド」。それに「チーズ」と「レモン」が彩りを添える。加えて「北海道ジンギスカン味」(北海道)、「山ちゃん手羽先味」(中部)、「沖縄県産シークワーサー味」(沖縄)といったエリア限定のヒット商品を全国販売につなげることで、話題を提供し続けてきた。
ローソンが運営するサイト「からあげクンファンクラブ」によれば、これまでに発売されたフレーバーは全部で322種類。近年では毎月1~5種類程度のフレーバーが発売されているから、新しいフレーバーが発売されるのは取り立てて珍しいことではないわけだが、なんといっても今回のフレーバーは「ほりにし味」である。
名前を聞いただけでは、何のことだかわからない。どんな味だか、想像もつかない。しかも「ほりにし味」は新商品の開発を担当する商品部が発案したものではなく、1人の支店長の提案が元になって商品化されたというのである。
謎の新フレーバー「ほりにし味」はどのように誕生し、なぜ全国展開されることになったのか。その経緯を追ってみた。