ターゲットのZ世代に刺さる広告はやはりデジタル
――「Fit me」とはどういった商品でしょうか。
メイベリン ニューヨークの製品、特にリキッドファンデーション「Fit me」(2018年発売、2019年刷新)は若者に支持されています。全16色展開で、コロナ禍でマスクを着けていてもファンデーションが崩れにくいのが特徴の商品です。
Z世代といわれる若い世代は、デジタル上で全ての情報をつかみ、購買の決断をする人が多いと認識しています。コロナ禍前は「CM×デジタル」という形で投資をしていましたが、「Fit me」を皮切りに大半をデジタルに振り切っていくというチャレンジをしました。
――化粧品の広告というとCMや雑誌のイメージがあります。
もちろん、それぞれにいいところがありますが、やはり一番のターゲットであるZ世代に刺さる施策を考えた結果、デジタルにかじを切ることにしました。これは競合他社がなかなか踏み切っていなかったところで、われわれが先陣を切っていこうと考えたのです。
ソーシャルメディアそれぞれの「強み」
――具体的にはどのようなことをしたのですか。
Instagram、YouTube、Twitter、TikTok、それぞれの強みを生かす形でプロモーションを実施しました。例えば、Instagramの場合は、投稿される画像をきっかけにユーザーが検索をして製品を知るという購買行動があるので、いかに製品の魅力を画像内に盛り込むかというところに重きを置きました。
YouTubeに関しては、音楽との親和性が高いので、「Fit me」のグローバルアンバサダーを務めているK-POPグループの「ITZY」の広告を発信しました。「ITZY」が先に登場し、最後に製品を紹介する動画構成にしたところ、「ITZY」のファンに製品について語ってもらう機会が増えたので、認知の面で大きな成果を得ました。
Twitterは、フォロワーを中心にある程度グループができ上がっているので、「ITZY」のファンコミュニティから「Fit me」を話題にしていただく取り組みをしました。
TikTokのユーザーは、何か面白いことを探しにいくというモチベーションがあるので、ブランドの思いを大きく伝えるというよりも、インフルエンサーと一緒に伝えていく形をとりました。