「YouTuberになりたい」と子どもが言い出したら、どう答えればいいか。戦略デザイナーの佐宗邦威氏は「インターネットを通じて自分の好きなことで食べていける環境が整ってきた。ものをつくる人こそ稼げる時代がやってきている」という――。

※本稿は、佐宗邦威『模倣と創造 13歳からのクリエイティブの教科書』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

自宅でビデオ撮影をしている女性たち
写真=iStock.com/Vladimir Vladimirov
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「正解がわからない」美術の授業が苦手だった

「表現は魔法だ。でも、自分はそれができない。うまく表現できる人は羨ましい」

ずっとそう思って生きてきました。13歳のころ、僕にとって美術は最大の不得意科目のひとつでした。僕の子ども時代は、周囲の友達が受験しているからという理由で塾に通い始め、いつの間にか受験という“ゲーム”に没頭し、結果として中学受験、さらに大学受験をしました。

子ども時代の僕にとって、国語、算数、理科、社会(中学生になってからは、現代文、英語、数学、歴史、生物)などの科目が重要な科目であり、得意科目でもありました。それらはいずれも、ただひとつの正解があり、自分が向かっていけばいい方向は極めて明確です。点数も含めて結果も見えるし、予習、復習をすれば良いのです。何より受験にとって「必要な」科目です。

一方で、中学校に入ってからの美術の授業は、どうも苦手でした。描いている間は楽しいのですが、自分よりもうまい人の作品を見ると、自分の作品が取るに足らないものに見えて、だんだん苦手意識を持つようになってしまったのです。しかも、受験には役に立ちません。正解がわからないものは、努力しようと思ってもどうやっていいかわかりません。そうやって、僕は美術が嫌いになっていきました。