2020年代はクリエイター経済が花開いていく

2020年代はクリエイター経済の時代になるという大きな潮流があるといわれています。この文章を書いている2022年初頭は、2000年代からつくられてきたインターネットの時代が大きく変わり、Web3という新しいインターネット時代の幕開けが始まるのではないかといわれています。このWeb3というのは、簡単にいうと、GoogleやFacebookのような場を提供する強大な管理者が利益を総取りしてしまうのではなく、管理者なしに直接その創作者である一人ひとりのクリエイターに収益が入ってくるような新しいインターネット上の経済をつくろうという動きです。

ペンタブレットを使用して創作をする人
写真=iStock.com/PrathanChorruangsak
※写真はイメージです

すでに、YouTuberのように、自分が制作した動画を通じて稼ぐことができる世の中になってはいますが、このクリエイター経済の時代には、デジタル上のゲームやバーチャル空間を中心に、さまざまな表現形態で稼げる場所が、あらゆる場所に広がっていくと考えればいいでしょう。例えば、デジタル上で3Dの靴をデザインしたり、ゲームのなかのアイテムをつくったり、マインクラフトでつくった建築物なども、新しいクリエイティブのフォーマットになっていくでしょう。

つまり、あなたが自分の好きを突き詰め、自分が持つ創造力を活かして、世の中に何かしらの作品を生み出せるようになると、それが単なる趣味ではなく、稼いで生計を立てる手段のひとつになる可能性は、いままで以上に増えていくということです。

ブログでの発信から身を立てた自身の実感

思えば、僕が創造の道を歩み始めた最初のきっかけが、ブログを書き始めたことでした。2006年、「マーケターKuniのアンテナ」というブログ(いまでもGoogle検索すると残っています。当時の僕がいかにアマチュアの書き手であったかがよくわかるので恥ずかしいのですが)を書いて、外に発信することを始め、気づけば本を出版するようになり、自分が書いた本をきっかけに戦略デザインコンサルティングという新しい業態の仕事をつくることができています。

これはインターネットによって誰もが表現者になれることにより、なし得たことといえます。インターネットという発信の場があり、ブログという簡単に発信できるツールができたことで、佐宗邦威という個人が直接世の中に対して自分の作品を届けていける環境が整っていったのです。当時の僕には、作品という感覚はありませんでしたが……。