※本稿は、じゅそうけん『中学受験はやめなさい 高校受験のすすめ』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。
「超一流大に進む人から燃え尽きまで」振れ幅の大きい中学受験組
よくある中学受験組の失敗例として、中学受験で無双するもその後堕落し、大学受験で失敗して、二番手三番手あたりの公立高校に進んだ層にも負けてしまう、といった事例を聞きます。
特に男子に多いようで、開成などの超トップ校ではさすがにそこまで落ちぶれることはないようですが、それ未満の私立中高になると、GMARCHや日東駒専でも滑り止まらずさらにマイナーな大学へ進学してしまうこともあるようです。
中学受験組が堕落してしまう要因としては、「受験燃え尽き」と「英語力不足」の2点が挙げられるでしょう。
受験燃え尽きとはイメージの通り、小学生時代から詰め込み学習をしてきた弊害で、中学進学以降やる気がなくなってしまったり、反動で遊び呆けてしまったりする現象のことです。
難関の中学入試を突破しても、その後6年間遊び続けたらさすがに大学受験で結果を残すことは難しいでしょう。
また中学受験組の「英語力不足」もよくある失敗例です。中学受験では英語が課されず、その後中高一貫のため高校入試も経験しないので、英語の試験は大学入試が初めてという人が普通です。
特に英語の配点が高い私立文系大学では、英語が苦手というのは致命傷になります。早慶はもちろん、GMARCHでも滑り止まらず、さらにマイナーな大学へ進学することになってしまう中学受験組の話をよく耳にします。
対して高校受験組は、大学受験の3年前に高校受験を経験しているため、中学受験で堕落した組のように6年間遊び呆けてしまうといった事態にはなりません。
そのためある程度レベルの高い公立高校などに進学した場合は、GMARCHでも滑り止まらず、といった事例は少ないようです。高校受験で英語を経験しているのも大きいと思います。
超一流大に進む人から、失敗してしまう人までの振れ幅が大きいのが中学受験組、滑ってもGMARCHくらいで滑り止まる、粒が揃っている印象なのが公立高校受験組、と言えそうです。