新NISAで投資を始めたばかりの人は今後何に注意すればいいか。経済アナリストの森永康平さんは「投資は気になったら負け、負けたときにやめたら負け、そして人の意見に左右されてはいけない。この3つを頭に焼き付けてほしい」という――。

気になったら負け

2024年1月から新NISA制度が開始されました。この機会に投資を始めた人、これから始めようと思っている人も多いのではないでしょうか。そんな投資初心者や未経験者の方々に、心に留めておいてほしいことが3つあります。

経済アナリスト 森永康平さん
撮影=プレジデントオンライン編集部
経済アナリスト 森永康平さん

第一は、つみたて投資の場合は「気になったら負け」だということです。こうした投資は、毎月無理のない額を複利で長期間運用して初めて力を発揮するもの。最初に積み立て投資の設定をしたら後は30年忘れておきましょう、というのが僕の考えです。

なので、まずは30年忘れておける環境をつくることが大事です。投資を始めるとどうしても株の値動きが気になって、チェックするたびに資産が増えた減ったと一喜一憂しがちですが、これでは投資がストレスになってしまい長く続けられません。

家計簿アプリに連携しないほうがいい

多くの人にとっては、日々の株価を気にするのは楽しいことではないでしょうし、資産が増えるならともかく減っていくのを見たら「やめようかな」という気にもなってしまいます。だったら見ないで済む、気にしないで済む環境をつくったほうがいいと思います。

たとえば、今は投資用の口座を家計簿アプリと連携させることもできますが、初心者にはおすすめできません。確かに家計簿アプリで収支を見える化することは大事なことです。でも、長期で考えるべき投資において日々の増減を気にするのはメンタル的にもよくないし、時間ももったいないですよね。

また、投資に使うお金は住宅ローンや子どもの教育費などとは完全に分けるべきです。こうしたものに投資のリターンを当てにしてはいけません。我が家でも、投資に回すお金と家や子どものためのお金は完全に別枠にしていて、本当になくなってもいいと思える分だけを投資に回しています。