「好きなことで食べていく」環境はますます整っていく

僕が書き始めたころは、ブログの書き手は、自分の文章を読んでもらい、知ってもらうだけでした。しかし、いまはnote・YouTube・Instagramなどの表現プラットフォームを通じて、読者から直接お金を受け取れる仕組みが広がってきています。すでに、世界全体で何かしらの収益をあげるクリエイターは2億人に達すると言われており、日本でもHIKAKINさんなど、YouTubeで収益をあげる人がスターになるような時代に入りつつあります。自分の好きなものや情熱で稼げる時代が、目の前に訪れようとしています。

最初は、自分一人でつくっていた作品を、インターネット空間を通じて外に出していくことで、読者や応援者を見つけられる、人とつながれるだけではなく、生計を立てていくこともできる環境がさらに整いつつあります。

「それで食べていけるのか?」

クリエイターやアーティストと呼ばれる人は、ことあるごとにこの言葉を投げかけられてきました。そして、まだまだこの状況は続くでしょう。

しかし、「稼ぐ」という経済の面に目を向けてみても、創造力が「希望をつくる力」になっていくのです。

絶対的な正解が存在した“大きな物語”の時代

創造によって生きられる人の選択肢は増えていきます。しかし、創造はそれ以上のものだと思います。それは、自分自身の人生の生き甲斐を自分でつくれる行為だということです。

少し大きな話になってしまいますが、お付き合いください。インターネットが普及する以前にはひとつの絶対的な世界だけがありました。そして、その世界には、キリスト教などの宗教や、資本主義などの人類共通の共有する物語がありました。これは、大きな物語と呼ばれ、人類が共有する絶対的な正解があった時代があったのです。このような時代では、僕らは否が応でもその社会のシステムに組み込まれていきます。