一方的な称賛か、攻撃するかの皇室報道への疑問
天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが、3月に学習院大学を卒業し、日本赤十字社に就職され、青少年・ボランティア課に配属された。
これを機会に、愛子さまのこれまでを振り返るとともに、ご本人にとって、また皇族としてのこれからを論じてみたい。
愛子さまについては、以前は批判的な報道もあったが、ここ数年は国民的人気を背景に、ただひたすらに褒め称える報道が目立つ。私はそのことが、愛子さまが皇族としてのあるべき姿や女性としての幸福についてお考えになるうえで、多様な助言を得られる機会を失わせてきたと思う。
逆に悠仁さまのように、高校生に対するとは思えない虐めに近い報道があふれているのもよくない。敬意を保ちつつ、つねに賛否両論が出されるのが皇室に対する健全な報道姿勢だと思う。
「世論」の手のひら返しに翻弄される皇室
その両方を経験されたのが、小室眞子さんで、小室圭さんとの結婚から半年ほどたつころまではいまの愛子さまと同じように絶賛の嵐だったが、突然の手のひら返しに遭い、なにをしても、さらには、まったくの憶測に基づいて難癖を付けられているのは気の毒だ。「世論」という空気のきまぐれに戸惑っていることだろう。
私は逆に、小室氏との結婚に対して婚約発表直後から疑問を呈し、「余計なこと言うな」と言われた。その後、眞子さんが皇室との親戚づきあいを遠慮され、一時金の支給を辞退されたのだから立派にけじめを付けられたと評価したら、「秋篠宮家の代弁者」などと言われている。
愛子さまはご両親の深い愛情につつまれ、学習院挙げての支援のもとで大事にされ、成長されてきた。
ただ、学習院初等科2年だった2010年には、いじめが原因という不登校騒ぎがあり、東宮大夫の野村一成氏が「学習院初等科の男子児童が他の児童に乱暴していることが原因であるということが判明」と発表する騒ぎもあった。