友人たちとお忍びで学園祭を見学
愛子さまが登校されず、その他の外出を控えられたことについて、「ご両親への感染を避けるための親孝行」という報道もあったが、あまり常識的な称賛とはいえなかった。
むしろ、陛下は愛子さまが外の世界に踏み出されることを願われていることが記者会見の発言でも窺えたし、なんとか大学などに行く機会をつくろうと、2022年の秋には愛子さまを単独で連れて学習院を訪問されるなど、背中を押されていたのであるから、国民も登校されるよう促すべきでなかったか。
そうした積み重ねがあって、4年生になった愛子さまは、通学されるようになったものの、少人数の講義などが主で、大教室の講義とか、サークル活動などに参加されたことはなかったようだ。ただ、最後の秋の学園祭を友人たちとお忍びながら見学されたことは良き思い出となっただろう。
また、公務はご両親とご一緒に登場されることはあるが、単独公務は、まだされていない。眞子さんは16歳、清子さまや佳子さまは19歳から開始されているから、だいぶ遅れている。学業優先だから当然という応援もある一方、それは他の女性皇族も同じだという批判もある。
自分が納得いくまで努力するタイプ
また、女性皇族は20歳の誕生日の前月に記者会見を行う習慣だが、学業多忙を理由に2021年11月の予定を翌年3月まで延期された。会見の内容はさすがに準備万端で立派なものであったが、皇族は何事も決められた時に余裕を持ってするべきだという意見もあった。
愛子さまは文学部の日本語日本文学科に在籍され、「中世の和歌」を卒論のテーマに選ばれた。指導教官の中野貴文教授も、レポート提出が最終日の午後11時59分に届いたとか、ご自分でも「返事が遅い」と自己診断されていたと紹介している(朝日新聞デジタル2024年3月20日記事)ように、身だしなみなどについても、時間をかけても納得いくまで努力される。今回の就職をめぐる宮内記者会への文書回答も、2度にわたって延期されたと報道されている。
また、皇族の習慣である伊勢神宮、神武天皇陵、武蔵御陵への報告参拝はしばらく見送られており、伊勢神宮と神武天皇陵には今年3月に大学卒業の報告という形で参拝された。これが初めてのお一人での地方訪問となった。
大学卒業後の進路については、公務に専念、大学院進学、海外留学という選択もあったが、日本赤十字社に就職されることになり、宮内記者会の質問に文書で回答を寄せられた。その要点を紹介しよう。