50代から豊かな老後を送るにはどうしたらいいか。医師の和田秀樹さんは「50代になったらこれまでの『常識』は捨て去り、仕事の責任やお金の心配は脇に置いてでも、自分の人生を楽しむべきだ。そのほうが結果的に、仕事や家族も含めたトータルの人生が豊かになっていく。老後に楽しみをとっておくなんてバカな考え方は、しないほうがいい」という――。

※本稿は、和田秀樹『老後に楽しみをとっておくバカ』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

50代で「まだまだ自分のことはガマンして頑張る」は大間違い

人生100年時代などといわれますが、そう考えると、50代はちょうど折り返し地点と言えるでしょう。

年齢的にだけでなく、仕事や人生のステージにおいても、登山で言えば、すでに上り坂を過ぎて、頂上を経験し、今や下り坂を歩み出していると感じている人も多いと思います。

そのいっぽうで、今の50代が背負う荷物は、決して軽くありません。

リビングルームで顔を覆うビジネスマン
写真=iStock.com/takasuu
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会社で責任ある仕事をまかされる機会は多く、組織全体や部下のことを最優先に考えるべき管理職でもある場合がほとんど。住宅ローンや教育費といった大きな支払いがまだ続いている方も少なくないでしょう。

両親に会うたびに体も声も小さくなっていて、近い将来、介護でお金や労力がとられることを想定しておく必要もあるかもしれません。

「だから、まだまだがんばらなければ!」
「自分のことはガマンしても、会社のため、家族のために働こう」
「老後の生活のことを考えると、今は仕事優先で、お金を貯めておかないと」
「好きなこと、やりたいことは、仕事人生が一段落してからゆっくり楽しもう‼」

そんなふうに考えている人が少なくないのではないでしょうか。

でも、その考え方は、今すぐ捨てたほうがいいと私は思います。誤解を恐れずに言えば、それは大きな間違いだ、とも。