「伝わる文章」を書くには、どうすればいいのか。編集者・ライターの石川大樹さんは「長年新人ライターを育成してきた経験をもとに、中学受験を控えた息子に10項目のコツを教えたことがある。試験3カ月前だったが、指導の結果、無事志望校に合格できた。この内容は、どんな人にも役立つと思う」という――。
在宅でオンライン学習する日本の小学生
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「伝わる文章」とはどのようなものか

私はWEB媒体の編集者/ライターをかれこれ17年ほどやっている。日本語で情報を伝えるのが仕事だ。

ジャンルとしては長文の体験レポートを中心に扱ってきた。ライトな読み物で、書くのも簡単そうだと思われるかもしれない。いやいや、そうでもないのだ。それぞれのバックグラウンドを持ち観察力に優れた書き手が、五感をフルに使い数時間かけて体験取材をすると、情報量がとんでもないことになる。それを限られた字数で読者にわかりやすく伝えるのは、実は技術のいる作業なのだ。

また、私は特に編集部の中でも新人ライターを多く担当しており、書き慣れない人が書いた文章を一緒に直し、読み手に伝わる書き方をアドバイスする経験をずっと積んできた。

そんな私が、小学生の子供の中学受験によってあらためて「伝わる文章の書き方」を見つめ直すことになった。本稿ではその経験について少し語らせてほしい。