どうすれば成績は上がるのか。サイエンスライターの竹内薫さんは「最初にやるべきは、自分にあう勉強法を探すことだ。それをみつけたことで私の成績は短期間で学年ビリからトップになった」という――。(第1回)

※本稿は、竹内薫『東大卒エリートの広く深い学び方』(かんき出版)の一部を抜粋したものです。

学生が勉強するイメージ
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

成績ビリだった私が勉強好きになったきっかけ

私が通いはじめた科学教室は、クラスの中で成績がトップの子だけが参加するような教室でした。それなのに、担任の先生はクラスの中で成績がビリだった私を入れてくれたのです。

帰国子女だった私は漢字が苦手で、話す日本語の言葉もあやしかったにもかかわらず、なぜその科学教室に入れてくれたのか?

いまでも時々、当時のことを考えることがあります。これは私の想像にすぎませんが、私が算数や理科が好きなことを見抜き、自分の得意科目で成長できるならばと、考えてくれたのかもしれません。そう思うと、感謝の気持ちしかありません。

実際に科学教室に通ってみると、担任の先生が考えてつくったカリキュラムはワクワクするようなものばかりでした。星座を観察したり、小動物の生態を観察したり……。それはまさに当時、日本の学校の授業にはなかった「プロジェクト型」の学習でした。

「あー、科学ってこんなに面白いんだ!」不登校だった私をそんなふうに、それまで味わったことのなかった気持ちにさせてくれたのが科学だったのです。科学を通じて、私は次第に学校に通えるようになり、学校生活にも馴染めるようになりました。

さらに、科学教室や学校で科学の好きな子たちと仲良くなり、科学に関する本を読み漁り、それとともに漢字も覚えられるようになっていきました。これが、私の人生における最初の「融合学習」だったのかもしれません。