頭がいいとは何か。医師の和田秀樹さんは「『頭のよさ』は固定的なものではない。いくら東大を出ていても、その後勉強しなければバカになるし、三流大学卒でも継続して勉強していれば頭がよくなっていく。そして両者が逆転するということも十分あり得る。大切なのは、『いまの自分にはまだまだ知らないことがある』という『知的謙虚』な姿勢であり、学歴などに関係なく『昔の自分はバカだった』と思えることだ」という――。
※本稿は、和田秀樹『頭がいい人の勉強法』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。
「頭のよさ」の活かし方を知れば「勝てる」可能性が高くなる
心理学者のハワード・ガードナーは、人間の知能は単一ではなく、複数あるという「多重知能理論」を提唱しています。
この理論では、「言語的知能」や「論理数学的知能」に加え、「音楽的知能」や「身体運動的知能」、「対人的知能」など8つの知能が想定されています。
つまり、音楽ができる人も「頭のいい人」ということです。
「頭のよさ」にはいろいろなタイプがあります。自分にはどんな頭のよさがあって、それをどう活かしていくことができるかを考えると、「勝てる」可能性が高くなるのです。
昔なら、「音楽的知能」が高かったとしても、楽器が弾けなければ作曲はできませんでした。そのため、その知能を発揮しようがないまま終わっていた人も多かったと思います。
でもいまは、パソコンで音を組み合わせて作曲したり、思いついたメロディを譜面に起こしたりすることが簡単にできるようになり、「音楽的知能」がある人はそれを格段に活かしやすくなっています。
映像の制作も、昔は個人で行うのはまず不可能なものでした。かつて私の知人が、マグロ漁船に乗り込んでドキュメンタリー映画を撮った際、その制作費は3000万円にのぼったそうです。
当時はフィルム代や照明などの機材にスタッフの費用がかかったためですが、いまならデジタル撮影なのでフィルムは使用しませんし、ビデオカメラの性能が高いので、照明を使わずマグロ漁船内の明かりだけで撮影ができてしまいます。
費用はおそらく数万円で済むでしょう。編集もパソコンでできるので費用だけでなく、作業時間や労力も比べ物になりません。