一握りの勝ち組になるにはどうすればいいか。医師の和田秀樹さんは「勉強やスポーツなど人が『できない』と思っていることの9割ぐらいは、コツややり方を教わればできるようになる。つまり『やり方』を知れば、それだけ『勝ち組』に近づける。何かに行きづまったときにやり方を求めるという人生観を持てることが、勉強法を学ぶ最大のメリットである」という――。

※本稿は、和田秀樹『頭がいい人の勉強法』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。

頭がいいとか悪いとかは多分に「思い込み」である

勉強しても成果が上がらないと、たいていの人は「自分の頭が悪いからだ」と考えます。

しかし、頭がいいとか悪いということは、多分に「思い込み」だと私は思っています。

極論を言えば、どんな人でもサルよりは賢いのです。脳の器質的な障害などがない限りにおいては、学歴の高い人であれ低い人であれ、言葉が使えて計算もできる時点で、知能の差などほとんどないと言っていいでしょう。

それでは、なぜ勉強しても成果が上がらないということが起こるのでしょうか。

一番の原因は、勉強の「やり方」を間違えていることにあります。

チェスの駒
写真=iStock.com/Olivier Le Moal
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多くの人が、勉強の「やり方」を習わず、我流で行っています。ノートの取り方や時間の使い方といった基本的なことすら習っていないのです。

たとえば、勉強以前の日本語の習得にしても、幼児期に親から日本語の学び方を教えられ、それを実践して理解できるようになったわけではなく、いわば独学で身につけています。

同じ日本語を使っていても、人によって言葉の受け止め方、理解のしかたに差異があるのはそのためです。

自分が話したことを、相手が自分の思う通りに理解してくれないとき、相手がバカに見える、ということがあります。「話が通じない」のは、自分と相手では言葉の受け止め方が違うからです。私たちが独自に言語を習得してきている以上、そのような理解の限界が生じるのは仕方のないことでもあります。

勉強についても、やり方を習わず我流で行っていることで、理解が限定的になっていたり、そのこと自体に気づいていなかったりする可能性も考えられるのです。