小学校の算数では計算・文章問題にはたくさん取り組むが、「図を正しく描く」授業はほとんどないという。都内で少人数制の算数・数学教室を運営する望月俊昭さんは、「開成や桜蔭といった難関中学に合格するような優秀な生徒でも、基本的な図形をフリーハンド(定規を使わない)で描かせると、おかしな図を平気で描いてしまうことが多い」という――。

※本稿は、『プレジデントFamily2022年冬号』の一部を再編集したものです。

開成や桜蔭に合格する子も間違えて描いてしまう

図形は「センス」が勝負だと思っていませんか。

たしかに図形感覚が優れている子は実際にいます。ではそうでない普通の子はあきらめるしかないのかといえば、そんなことはありません。図を正確に描くという当たり前のトレーニングを繰り返すことで、図形問題を解く力は向上します。

私の算数教室では、入塾した3、4年生のうちは、多くの時間を図を描くことに費やしています。なぜなら今の子に一番欠けていることだからです。小学校や一般の塾では、図形を正しく描く練習をほとんどしていません。

実際、将来、開成や桜蔭といった難関中学に合格するような優秀な生徒でも、基本的な図形をフリーハンド(定規を使わない)で描かせると、おかしな図を平気で描いてしまうことが多いのです。

二等辺ではない二等辺三角形。直角ではない直角三角形。そんな図を描いて違和感を覚えない子は、高学年になって図形の応用問題、とくに作図問題で苦労します。

そういう子の図形の学習は、公式暗記や解き方の手順を覚えて解くという作業中心の学習となり、図形本来の学びとは違うものとなります。

文章題などの数式中心の算数は、シンプルにいえば手順の問題です。解き方の手順を学ぶことで解けるようになります。

中学受験部

【2月22日(火)19~21時 プレジデントFamilyオンライン特別開催】

「どこよりも早い中学受験入試報告会」 家庭学習のポイントも教えます!
新小4、5、6年生の保護者、必見! 特別特典付き

2022年の「私国立中学入試」について、入試概況や科目別の問題傾向をお伝えします。首都圏や関西の有名校から、最近注目を集めている人気校、受験者が大きく増えた注目学校の問題をピックアップ。中学受験のプロフェッショナル5人が分析してわかったことをいち早くお伝えします。 中学受験のトレンドがわかる2時間。2023年以降の入試に役立つ情報が満載です。 スマホでもパソコンでも視聴可。アーカイブ配信有り。(参加費5000円/中学受験部の会員3500円)

▶詳細や申し込みはこちら


『プレジデントFamily 2022冬号』好評発売中!

『プレジデントFamily 2022冬号』

現在発売中の『プレジデントFamily 2022冬号』では、特集<結論! 自分から勉強する仕掛けとは 子供が「集中」する部屋>として、<簡単な工夫で、自分から勉強する子に机に向かわない原因解消! 最強「勉強スペース」のつくり方>、<熱中! 没頭! 仕掛けがいっぱい天才のマイルーム訪問>などを紹介。ぜひ、手にとってご覧下さい。