うまく寝るためには、どうすればいいのか。睡眠専門医の白濱龍太郎さんは「睡眠の質は最初の4時間で決まる。ポイントは『深部体温』と『副交感神経』だ」という――。

※本稿は、白濱龍太郎『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム)の一部を再編集したものです。

眠っている男性
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現代人の睡眠の悩みのカギは、眠りはじめの4時間にあり

昼間は働いて、体はしっかり疲れているのに、なぜか夜ふとんに入ってもなかなか寝つけない。睡眠時間はそれなりに確保しているのに、朝起きると疲れが取れていない。夜中に何度も目が覚めてしまう……そんな睡眠の悩みを抱えている方々には、深~い眠り「深睡眠」の時間が足りていないのかもしれません。

深睡眠とは、脳を休ませ、体の疲れを回復させるノンレム睡眠のなかで、脳が一番リラックスした状態のことをいいます。この深睡眠は眠りについてからの30分、および2~4時間後に出現します。

そのため、寝ついてから4時間以内に深睡眠を十分にとれていれば、脳と体の疲れの大半、約80%は取れてしまうのです。

反対に、深睡眠が不足していると、ぐっすり眠れないだけでなく、やる気が出ない、「血圧」「血糖値」「コレステロール」の値が上がりやすいなど、生活面や健康面にもさまざまな影響が出ます。睡眠の悩みを解消するカギは、深睡眠にあるのです。

睡眠に関する書籍などには「夜10時には寝る」「寝る2時間前に30~40分運動をする」など、「よく眠るための約束事」がたくさん書かれています。

ただ、やらなければならないことが多いと、こんなにできないと思ってしまったり、途中で挫折してしまいがちです。そこで、できるだけ簡単に、誰もが「やってみよう」と思えるように考案したのが「ぐっすりストレッチ」です。

ここでは、拙著『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム)より、「ぐっすりストレッチ」を取り入れた「深睡眠がしっかりとれる」=「ぐっすり眠れる」=「疲れにくく健康になる」方法について解説します。