「雪かき仕事」で大変身!

入社して大分時間が経ったけれど、やりがいのある仕事を与えられない、後輩も入ってこず、裏方の仕事ばかり……このような悩みを抱えている人は案外多いと思います。俗にいう「雪かき仕事」を強いられているわけです。

でもこう考えてみてください。雪かきは誰もがやりたくないけど、それなしでは、町(会社)の機能が麻痺してしまう不可欠の仕事なのだ。むしろ、自分なりの意味をそこに加え、ただの雪かきに終わらせなければいいじゃないか、と。

雪かき仕事の典型として、プロジェクトの事務局という一見、地味な仕事があります。私が実際に見聞きしたことですが、本業はマーケッターで、無口な職人タイプの人がその仕事に任命されました。事務局には会議の招集という大事な役割があります。律儀なその人は開催日の数日前に、参加を促すケアメールを毎回出し続けました。

しばらくすると、その人が「変わった」という声が周囲から漏れ聞こえてきました。それまでは万事に受け身の姿勢だったのに、自分から先に仕掛ける姿勢が出てきたというのです。そのたびごとの会議の内容について「こうあるべきだ」という考えが出てきて、それを事前のメールに反映させていたのでしょう。事務局としてメールを書き続けるうちに、彼自身が変わって前向き人間に変貌するどころか、周囲に影響を与えうる人間にもなっていったのです。

雪かき仕事そのものに意味はないかもしれません。でも、それにどう向き合うかによって、あなたも変わるし、職場も変わる。それによって、自分自身、「やりたい」と思っていたことを実現させることができるかもしれないのです。

例えば、部署の引っ越しの事務局になったとします。つまらない仕事だとしょげないでください。「働き方を変える」という、かねてからの“野望”をかなえられる可能性があるのですから。

机の配置から始まり、会議のあり方、共有スペースのデザイン、いろいろと工夫できるはずです。仕事のやり方を変えるプロジェクトなんて、言い出しても誰も乗らないでしょうが、引っ越しというきっかけがあれば話は違うはずです。