※本稿は、五百田達成『繊細な人 鈍感な人』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
「失敗を予見」というマウンティングに取れる
1.だから言ったでしょ?
仕事でA案とB案で迷った末にA案にしたら、評判がよくなかった。同僚から「だから言ったじゃん。私はBがいいって言ったよね?」とひと言……。
思い切って始めた資格の勉強。でも思ったより大変でくじけそう。家族から「もっと慎重に考えたほうがよかったんじゃない?」とひと言……。
どうでしょう? ただでさえヘコんでいるところに、「助言を聞かなかったあなたが悪い」「一体どうするつもり?」と追い打ちをかけられているようで、悲しい気持ちになりませんか?
繊細な人であれば、つい「すみません……」と謝ったり、「せっかく言ってくれたのに……」と反省したりしてしまいます。
それでも内心は、「あれ? なんで謝ってるんだろう?」「別に迷惑かけてないのに」とモヤモヤ……。
安全圏からの攻撃は笑ってスルー
そもそもですね! 「それは残念だったね。次はもっとこうしようね」と、前向きなアドバイスをくれるならまだしも、今さらどうしようもないことを指摘するのはずるいというもの。「私はアドバイスしたんだから責任はない、悪くない」という逃げの気持ちも透けて見えますし、「私は、この失敗を予見していたのだ、えっへん!」という謎のマウンティングも感じとれます。だから、素直にお叱り・忠告を聞く気になれないわけです。だいたい、「言ったでしょ?」と言ってますが、ほんとに言ったかどうかも怪しいものです(笑)。
というわけで、このように安全な場所から、終わったことをあれこれ言ってくる人の言葉は、「ですよね〜」「やっぱり〜」と笑ってスルーしちゃいましょう。実際、今さらどうしようもないわけですし、それよりは目の前のことをどうがんばるかのほうが大事です。
それでもスルーしきれないときは、「今さら言わないで!」「どうせ言うなら、もっとちゃんと言ってよね」「自分でも反省しているんだから、ほっといて」と、心の中だけでも反論しましょう。すっと気持ちが軽くなるはずです!