もう1人のA、「元参院のドン」が河野氏を恨むワケ

あまり知られていないが、もう1人、「A」がいる。かつて「参院のドン」と言われた青木幹雄・元参院議員会長だ。引退して10年以上たった今も、党竹下派を中心に隠然たる力を持つ。その青木氏が、河野氏をこころよく思っていないという。

2010年、参院選を前に青木氏は軽い脳梗塞で倒れ、長男の一彦氏を後継候補にした。この時、幹事長代理だった河野氏は党会合で「青木さんは世襲のために公募をせず、倒れるという芝居じみたことをやった」という内容の発言をしたことがある。竹下派幹部によると、青木氏は今もこのことを忘れていない。

今回、野田氏が立候補するにあたっては、竹下派の参院議員3人が推薦人に名を連ねた。この他、参院竹下派の幹部が、野田氏の推薦人集めに尽力したことも伝えられている。河野氏の当選を阻むため、青木氏による10年越しの恨みがにじんでいるのか。

15日、青木氏の事務所に河野氏の父・河野洋平元総裁が訪れたと報じられた。会談の中身は明らかになっていないが、過去の恩讐を少しでも和らげようという親心による訪問だったとみられている。

自由民主党
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野田氏は「森友調査」と言うが、それでもいい

野田氏の名誉のために書いておくが、野田氏は河野氏の総裁就任を阻止するために出馬するわけではない。安倍氏らの別動隊でもない。

17日の演説会で野田氏は、森友学園問題を念頭に「総裁になったら党に解明チームをつくる」と言明。「野田内閣」では閣僚のうち半分を女性とする考えを明らかにした。

これらは、安倍氏の考えとは一致しない。でも、安倍氏らにとっては、河野氏に流れそうな安倍氏に批判的な票を、少しでも野田氏が集めてくれれば、それでいいのだ。そもそも野田氏が総裁に就任する可能性はほとんどないと考えれば、その発言内容に目くじらを立てる必要もない。