コロナ禍で飲食業が苦戦している。ただ、その中でも高い営業利益率を維持している企業もある。「大手町のランダムウォーカー」として活動している福代和也さんは「たとえばサイゼリヤ、吉野家HD、コメダHDの3社のうち1社だけ業績好調な企業がある。その理由はビジネスモデルの違いにある。決算書を読み比べれば、それがわかる」という――。(第1回)
専門知識がなくても直観的に決算書が理解できる「会計クイズ」
みなさんは「決算書」を読んだことがあるでしょうか?
おそらく読んだことがない人がほとんどではないでしょうか。「決算書」と聞くと難しい専門用語や、何桁なのかも分からない数字が並んでいて眺めるだけで疲れてしまうという人もいるかもしれません。
ですが、決算書が読めるようになることで得られるメリットは少なくありません。
決算書を読む力が身につくと、企業が公式に発信している決算資料という一次情報にアクセスできるようになり、株式投資はもちろん、就職や営業にも役に立つ企業の詳細情報を得ることができます。
とはいうものの、決算書を普通に読もうとすれば専門的な会計知識を身につけなければならず、学習にはかなりの根気が必要です。そのうえ、実際に知識を身につけたとしても、決算書を自然に読めるようになるには実践的な訓練が必要です。
私も、公認会計士の試験に合格してからすぐに決算書を読みこなせるようになったわけではありません。公認会計士試験に受かるほどの知識があったとしても、決算書をすぐに読めるようになるわけではないのです。
そこで本稿では、専門知識がなくても直観的に決算書を理解できる「会計クイズ」を使って「決算書の読み方」を、実際の飲食業の事例を通して解説していきます。
コロナ環境で苦戦を強いられている飲食業ですが、中にはそんな環境をものともせず、高い収益を生み出している飲食業も存在しています。
それではさっそく会計クイズをはじめていきましょう。