2020年に発売された「これ絶対うまいやつ!」という袋麺が30代の若者世帯で人気だ。日清の担当者が開発中に気づいた、この世代の特徴とは――。

商品タイトルに若者言葉を起用

コロナ禍で迎えた2年目の夏。ワクチン接種が進む一方で、感染拡大の影響もあり、旅行や「外食」を控える人も多いでしょう。

よく言われる通り、2020年は「おうちご飯」など、巣ごもり消費が顕著でした。なかでも好調だったのが“麺類”。同年の総務省「家計調査」(二人以上世帯)によると、麺類の消費支出額(1世帯当たり)はすべての月で前年を上回り、とくにGWや夏休みの期間中、前年(19年)を大きく上回りました。

そんななか、順調に売り上げを伸ばした商品の一つが、20年9月に発売された「日清 これ絶対うまいやつ!」(以下「これ絶対うまいやつ!」/日清食品)。

いわゆる若者言葉を商品のブランド名に起用し、翌年3月まで(2020年度)の売り上げが、当初の計画の275%を記録する大ヒット商品に成長しました。

ブランド名から分かる通り、メインターゲットは若年ファミリー(おもに30代)。その理由について、「弊社の袋麺ユーザーの中心層は、40、50代。30代ファミリー層から強く支持される新商品を作りたかった」と話すのは、日清食品マーケティング部の資逸晴亮すけいつせいすけさん。

30代男性に見られる独特の“欲求”

商品コンセプトは、同ターゲット層が好む「国道沿いのラーメン店で出されるような、濃くてうまいラーメン」。

パッケージにも、3種の味(後述)を電飾看板に掲げた国道沿いのラーメン店の外観を描き「濃くてうまい味を、家庭でも楽しめる」とのイメージを表現しました。

一方、開発段階で現・30代男性には、他の年代にあまり見られない、独特の“欲求”があることが分かったそう。一体、どんな欲求なのでしょう?