メンタルの不調を食事で改善する方法はあるのか。分子整合栄養学に詳しい佐藤智春氏は「メンタルの不調の要因に、脳のための材料が不足しているのではと考える。そのため脳の材料として最も優秀な食材である『卵』を食べるといい」という――。
うつ病は脳のエネルギーが欠乏した状態
新型コロナウイルスは経済に大打撃を与えました。そのストレスから「コロナうつ」と呼ばれる症状に悩む人が増えています。
「コロナうつ」という病名はなく、はっきりした定義もありません。コロナ禍のストレスや気分の低下状態を指して、マスコミが作った表現のようです。
では、うつ病とはどういう病気なのでしょうか。
精神医学では、重度の抑うつ状態のことを指します。抑うつ状態とは、「憂うつである」「落ちこんでいる」などと表現される症状です。
うつ病の原因は多岐にわたり、検査や診断の基準がはっきりしていないため、判断方法や出会う医師でも診断に差が出ます。
“こころの耳”という、働く人向けの厚生労働省のメンタルヘルス・ポータルサイトがあります。その中で、うつ病について以下のように書かれています。
うつ病は、一言で説明するのはたいへん難しい病気ですが、脳のエネルギーが欠乏した状態であり、それによって憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、さまざまな身体的な自覚症状を伴うことも珍しくありません。つまり、エネルギーの欠乏により、脳というシステム全体のトラブルが生じてしまっている状態と考えることもできます。
私たちには自然治癒力という素晴らしい機能が備わっていて、通常はさまざまな不具合を回復へ導いてくれます。私たちは日常生活の中で、時折憂うつな気分を味わいます。不快な出来事によって食欲が落ちることもあります。しかし、脳のエネルギーが欠乏していなければ、自然治癒力によって、時間の経過とともに元気になるのが通常です。
私たちには自然治癒力という素晴らしい機能が備わっていて、通常はさまざまな不具合を回復へ導いてくれます。私たちは日常生活の中で、時折憂うつな気分を味わいます。不快な出来事によって食欲が落ちることもあります。しかし、脳のエネルギーが欠乏していなければ、自然治癒力によって、時間の経過とともに元気になるのが通常です。
(厚生労働省「こころの耳 1うつ病とは」より引用)