ビジネスで成功するにはどうすればいいのか。実業家の堀江貴文氏は「ひとつのことをやり続けることに執着してはいけない。うまくいかなければ、大胆に方針を転換していくべきだ」という――。
※本稿は、堀江貴文『やりきる力』(学研プラス)の一部を再編集したものです。
やり続ける根性は、ときに成長を妨げる
僕がこうして「やりきる」ことの重要性を主張していると、誤解を与えてしまうことがある。始めたことを真面目にやり続けることは大事だが、「継続」自体が目的になってしまっては本末転倒だ。
どう考えても先細りだとわかっているのに、同じ取り組みを続けている人を、結構見かける。「いまやめたら、それまでの投資が無駄になる!」と、損切りの適切な機会を見失い、単なる惰性で現状維持にしがみついている状態だ。
やり続けることだけに執着していると、ときには成長を妨げるばかりか、いままで積み重ねた実績を後退させてしまうことにもなりかねない。だから、変わるべきタイミングでは、大胆に損切りして、それまでのスタイルを変える勇気も必要だ。
やりきる力は、変化・適応の柔軟性とセットにして使いこなさないといけない。自分のルールを持つのはいいが、その自分ルールに縛られて、捨てなくてはいけない執着や、間違った損得勘定に足を引っ張られることは回避しなければならない。
ダメならば、違うことを試してみる。これもまた、やりきる力なのである。