「継続」そのものより、ピボットせよ

僕は多くのビジネスを手掛け、必死に運営に取り組み、黒字に乗せてきた。やるべきことはやりきってきたけれど、なかには諸事情で頓挫したり、大損を被った事業なども、たくさんある。表に出て世間に認められる成果物なんて、実はごく一部というのが現状だ。

最初に立てたプランを完遂することだけが正義ではない。特にITベンチャーの世界では“ピボット”、つまり上手くいかなければ、当初の狙いにこだわらず大胆な方針転換も敢行するのが、ビジネスの常道だ。

どんな練り込んだプランでも、進めていくうちに、お金や人間関係などさまざまな要因で、必ずトラブルや問題に行き当たる。そのとき、より状況に即した方向へピボットすることで、事態は新しく拓けて、また前進していける。

ビジネス目標と成功の概念
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アップルもマイクロソフトも多くのプラン変更を繰り返している

ビジネスでもトレーニングでも、自分が前へ進むためには、従来のルールや初志にとらわれてはいけない。柔軟な選択肢を持つことで、ピンチを回避できる。そうして、想定していなかったような成長も遂げられるのだ。

プランAが上手くいかなくても、落ちこまなくていい。むしろ想定内だ。プランB、プランCに、軽やかに乗り換えていけばいい。BもCも上手くいかないことだって普通。D、E、F……と、しつこく“ピボット”して、変わり続ければいい。

世の中の成功した大事業で、プランAが当たった例は滅多にない。アップルもマイクロソフトも、創業から数えきれないほどプラン変更を繰り返して、大きな成長を遂げた。世界最大規模の会社となったいまも、ピボットを重ねている。

あなたの中で、やる気とリソースが続く限り、何十回でも何百回でも、プラン変更をしていい。試行錯誤の数が多い分だけ、成功率は確実に上がるのだ!