交通企業に考えられる今後の進路
今後交通企業が直面していく社会における交流の手段の変化は、コロナ禍だけによって生じた現象ではない。それ以前からのデジタル技術の進化によって広がり、くすぶっていた問題の健在化だといえる。
レビット式の「ドリルではなく、穴」の発想を踏まえて、デジタル空間での交流機会の拡大に備えていた経営者にとっては、コロナ禍は想定していた未来への移行を早めたにすぎない。デジタル社会においても交流のニーズが消滅することは考えにくい。起きているのは交流のニーズを満たす手段のせめぎ合いである。
この状況に、各種の交通企業は今後、どのように対応していくか。考えられる進路を挙げる。いずれにせよ交通企業は事業の組み直しが避けがたい。
・リアルの交流には、デジタル空間では満たされない価値がある。このリアルの価値をさらに充実し、人の移動を活性化するべく、新たな観光開発や都市開発などに挑む。
・移動をともなわないデジタル空間での交流の可能性が広がっている。この領域にウイングを広げ、デジタル関連のサービス提供などの事業に取り組む。
・交流や人の移動にこだわらず、モノの移動(貨物輸送)などの事業を取り込む。
・デジタル社会における交流のシフトをにらんで、人の移動を提供する事業をダウンサイズする。
・移動をともなわないデジタル空間での交流の可能性が広がっている。この領域にウイングを広げ、デジタル関連のサービス提供などの事業に取り組む。
・交流や人の移動にこだわらず、モノの移動(貨物輸送)などの事業を取り込む。
・デジタル社会における交流のシフトをにらんで、人の移動を提供する事業をダウンサイズする。