記憶に残る場面は匂いとともにあり
食事の香り、好きな香水、自宅の匂い……私たちは常にたくさんの「香り」に囲まれて生活している。
そして香りと、それを感じた場面の「記憶」は密接に関係している。
例えば、牡蠣を食べてお腹をくだした経験があると、その後に牡蠣の匂いを嗅ぐたびにつらさが蘇るだろうし、仲間とポップコーンを食べながら楽しい映画を見たのなら、ポップコーンの匂いでその時の一場面が浮かぶ。恋人が身にまとう香水と近い匂いに接すれば、その人のことを思い出すだろう。
だが、今の生活を振り返ってみてほしい。コロナ禍でオンライン化が進み、人とのふれあいが極端に減った。それによりあなたの“記憶に残る場面”は、少なくなっていないだろうか。
香りを科学的に研究する東京大学大学院農学生命科学研究科の東原和成教授は「視覚のみでなく、五感を使って取り入れた情報のほうが記憶がより強固になる」と説明する。
「オンラインでの会話は、どのような空気が流れているのか、どのような匂いなのか、視聴覚以外の感覚を相手と共有できません。すると会話をした相手も、その内容も、記憶に残りにくいのではないかと考えています」
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