恋に落ちると、人間は「ホルモンの操り人形」になる

誰かを素敵だなと思うと、また会いたいという気持ちが起きる。会えない期間が続くとつらくなって、でも再会すればドキドキして幸せを感じる──恋に落ちたとき、私たちの体にはどのような現象が起きているのだろうか。

愛のコンセプト
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「恋というのは、ホルモンに操られている側面がありますね」

と話すのは、脳にまつわる最先端の研究を行う生理学研究所名誉教授の柿木隆介氏だ。

「出会いから恋愛初期、やがて恋人として付き合い、結婚するまでのステージで、分泌される主要なホルモンは変化します。最初は男性ホルモンと女性ホルモンが互いを惹きつけあうのです。男性であれば、男性ホルモンがたっぷり分泌されている人が女性にもてやすい。逆もまた然りで、女性ホルモンが多い女性は、男性を惹きつけます」

そして次に、恋に落ちると脳内ホルモン「アドレナリン」が分泌される。

「好きな人に会う前はドキドキするでしょう。あれはアドレナリンの分泌によって脈拍が速くなるからです。血圧が上がって頬に赤みがさし、瞳孔が開きます。黒目の部分が大きくなるんです。男女ともに黒目が大きい異性に惹かれる傾向にあります」(柿木氏)