中国最古の医学書「男は8歳ごとに、女は7歳ごとに老ける」

中国最古とされる医学書の『素問』に、〈男は8歳ごとに、女は7歳ごとに老ける〉とある。

新鮮なフルーツと野菜
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男性の場合は、40歳をすぎると衰えが見られ、48歳、56歳と階段を一段ずつ下りるように年を取っていく。女性の場合は35歳が曲がり角で、42歳、49歳のタイミングで加齢が進みやすい、とある。

日本漢方連盟理事長で漢方平和堂薬局店主、横浜薬科大学特任教授の根本幸夫氏はこう話す。

「中国では不老不死を求めて漢方薬が発達しました。老ける、老けないというのは、女性にとっては見た目、男性の場合は強精が重要とされる。男性が自分で『年を取ったなぁ』と思うのは、髪の毛や陰毛が白くなったときや、実際に役に立たなくなったときが多い。性的なものはいくら筋トレに励んでも、それで復活するわけではありません」

そこで強壮強精作用のある食べもの、例えば山芋やニラ、少量のニンニク、クルミなどで補うことが重要と考えられたという。

日本の漢方には、薬物療法(漢方薬)と鍼灸、そして養生の3つがある。養生には食事指導が含まれ、現在では「薬膳」と呼ばれる。薬膳レシピを数多く考案した医学博士で薬剤師、慶應義塾大学医学部漢方医学センター共同研究員の宗形佳織氏によると、「薬膳では、ビタミンCなどといった単独の成分ではなく、食べものの丸ごとの味や性質が、体のどの臓腑にどのように働くかという考え方をする」という。