「飲むほど強くなる」は本当だった!

年末年始は、酒を飲む機会が多いだろう。「ほどほどに」と思っていても、つい飲みすぎて翌日は二日酔いでダウン……というときもある。上手な飲み方や二日酔いの対処法を紹介したい。

二日酔いの苦しみ男はビールのボトルを持つ肖像画を閉じます。
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二日酔いとは、酒を飲んだ翌日に吐き気などの消化器系の不調や頭痛、だるさなどが起きること。そもそもこの不快な症状はなぜ起きるのだろうか。

アルコールは胃や十二指腸などで吸収され、静脈を通じて肝臓に取り込まれる。肝臓ではアルコールが分解されて「アセトアルデヒド」に、さらに「酢酸」という物質になる。最後は水と二酸化炭素になって、アルコールは体内から消えていく。二日酔いの原因は、毒性のあるアセトアルデヒドが体内にたまった状態と考えられている。

アルコール依存症の治療に長年取り組み、「正しい飲み方」を啓発する著書を数多く持つ、まいんずたわーメンタルクリニック院長の仮屋暢聡医師はこう話す。

「酒に強い、弱いの分かれ道は、アセトアルデヒドを分解する『アセトアルデヒド脱水素酵素』を持っているか、または活性化しているかどうかです。両親や祖父母から引き継いだ遺伝が主で、実は4割を超える日本人がアセトアルデヒド脱水素酵素を持っていません。持っていないタイプの人は、少量の飲酒でアセトアルデヒドが血中に増加してしまい、顔が赤くなったり、動悸が起こる。二日酔いにもなりやすいのです」