17年間の追跡調査で判明、牛乳と脳の良い関係

およそ6000年前から人類が親しんできた牛乳だが、「人の体に悪影響を及ぼす」と有害説がたびたび取り沙汰されてきた。例えば「牛乳を飲みすぎると骨粗しょう症になる」「アトピーや花粉症が増えたのは牛乳のせい」「超高温殺菌牛乳は体に悪い」などである。

水差しとガラスのミルク
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牛乳は体に良いのか、悪いのか。

結論からいえば、日本人にとって牛乳が体に悪いという根拠はない。

“日本人にとって”と記したのは、実は海外では牛乳に関して膨大な論文があり、乳製品の過度の摂取はがんを発症するという見方が強い(国内では「牛乳摂取とがん発症リスク」との関係に対して「データ不十分」の扱い)。また毎日何杯も飲めば、脂質の取りすぎにもなってしまうため、私も“大量に”はお勧めしない。

しかし、少なくとも「一日一杯の牛乳」であれば、子供から大人まで「脳と体」の健康を維持するため飲んだほうがいいといえるだろう。

コロナ禍の今、牛乳を積極的に飲んだほうがいいワケ

体を悪くする やってはいけない食べ方』(青春出版社)の著者で、管理栄養士の望月理恵子さんはこう話す。

「よく知られるカルシウムだけでなく、必須アミノ酸をバランスよく含むタンパク質、皮膚や粘膜を健康に保ち、病気に対する抵抗力を強めるビタミンA、ビタミンB群なども含みます」

さらに、コロナ禍の今、取るといい理由として、「牛乳には、タンパク質や、その消化によって生じるペプチドに、抗菌作用や抗炎症作用および抗アレルギー作用など様々な免疫調節作用があることが報告されています」という。