家を購入するなら、マンションと戸建てのどちらがいいのか。長年「住みここちランキング」に携わってきた麗澤大学教授の宗健さんは「マンションか戸建てかの結論は、最終的には自分が望む暮らし方と好き嫌いで決まる。それぞれのメリット・デメリットを紹介しよう」という――。
家の形をした木製ブロックと虫眼鏡
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「マンションvs.戸建て」の結論は出せない

持ち家vs.賃貸論争のように、マンションか戸建てかにも賛否両論がある。

都心マンションの資産価値の高さからマンションを推す人もいれば、区分所有の合意形成の難易度が高いことが将来のリスクになるという点を強調して戸建てを推す人もいるが、そんなに簡単に優劣が決められるものではない。

持ち家か賃貸かについては、買えるのなら持ち家のほうがメリットが大きいというのが筆者の一つの結論だが、マンションか戸建てかには、どちらがいいという汎用的な結論はない。それは、主に以下の理由による。

① そもそも場所によってはマンションがない。戸建ての場合は東京都千代田区でも中央区でも港区でもあるにはあるが、例えば、北海道旭川市に近く、いい部屋ネット街の住みここちランキングで上位にランクインしている東川町や東神楽町には、都会に住んでいる人がイメージするようなエレベーターが付いている5~6階建てのマンションはない。ないものは選べないから、戸建てとの比較が成り立たない。

② 逆に家族で住めるような比較的広い戸建てに住もうと思ったら買うという選択肢しかない場合が多い。ファミリー向けの賃貸マンションはどこにでもそれなりにあるが、戸建てのファミリー向け賃貸物件は非常に少ないからだ。このため、戸建てとマンションの比較は持ち家が前提になり、賃貸では比較そのものが成り立ちにくい。

③ 持ち家であれば、マンションも戸建ても両方が選べる地域もあるが、持ち家vs賃貸と違って、経済合理性での比較よりも、その人の暮らし方による好みの差が大きく、優劣よりも好き嫌いによる面が強い。

それでも、実際に暮らしてみるとマンションと戸建てには様々な違いがある。考えられる全ての項目を網羅しているわけではないが、主な違いを順番に解説していこう。

建物の構造による住み心地の違い

マンションは共同住宅だから共有の設備がある。戸建ては基本的には単独家族が暮らす建物だから専有部しかない。

そのため、建物の構造の違いによる住み心地は随分違う。

マンションは上下左右に区分所有の他の部屋があり、それが断熱効果を生み暖かい(角部屋や1階、最上階もあるが戸建てよりも暖かい)。一方、戸建ては断熱性能が上がってきたとはいえマンションよりも寒く感じることが多い(古い戸建てはなおさら寒い)。

戸建てはリフォーム、リノベーションしようと思ったら、サッシもドアも外壁も全て所有者の意思で実行できる。一方、マンションの場合は、室内は自由に手を入れられるが、窓・ドアは共用部なので断熱性能を上げようと思っても自由に交換することができない。そのためリノベーションマンションでは2重サッシになっていることも多い。