死の直前、人は何を後悔するのか。『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』(アスコム)を出したホスピス医の小澤竹俊さんは「『やっておけばよかった』という声をよく聞く。死の間際に後悔しないために、元気なうちから4つの方法を実践してほしい」という――。
※本稿は、小澤竹俊『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』(アスコム)の一部を再編集したものです。
人生に締め切りを設ける意味
はじめに、みなさんに質問です。もし、あと1年で人生が終わるとしたら、あなたは、
旅行に行きたいですか?
家族と楽しいときをすごしたいですか?
もっと仕事をしたいですか?
趣味に時間を使いたいですか?
おいしいものが食べたいですか?
ほしかったものを買うでしょうか?
まだまだやりたいことがたくさんあるという人がほとんどでしょう。
なぜこのような問いかけをしたかというと、人生に締め切りを設けることで、何がやりたいか、何が大切かが明確になるからです。
25年間、人生の最終段階の医療に携わり、3500人を超える患者さんたちをお見送りしてきて、私には一つ、気づいたことがあります。それは、「死」を前にすると、人は必ず自分の人生を振り返るということ。
そして、自分の人生で誇れること、後悔していることなどを少しずつ整理し、最終的には多くの方が、「良い人生だった」と納得して、穏やかにこの世を去っていかれます。日々忙しく過ごしていると、人はなかなか、自分の生き方を見つめ直したり、自分にとって本当に大切なものに気づいたりすることができません。
でも、もし。もし、あと1年で人生が終わりを告げるとしたら……。私が関わってきた患者さん同様、きっと多くの人が、自分の人生に思いをはせるのではないでしょうか。