森失言問題により日本が変わるきっかけになればいい

森喜朗元総理の発言が女性蔑視とされて炎上し、結局、五輪組織委員会会長を辞任。後任には橋本聖子氏が就き、五輪担当大臣は丸川珠代氏が就任した。

男女平等と差別の概念―記号付きの木製ブロックを手で置く
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この問題についてはいくつかの媒体にすでにコメントしたので、あまり多く語るものがあるわけではないが、メディアを含め、これで日本が変わるのか変わらないのかのほうに関心がある。

森発言よりひどいものはまだまだたくさんあるので、それを放置して政局に終始するならば問題だ。他人の「暴言」を批判するのにコストはかからない。人は結局、何を言うかより、どう行動したかで測られるべきものだと思う。

森発言については、当初の想定よりも国内の怒りが根深かったといえる。ふだん何かあるとすぐ辞任を求める人々だけでなく、社会に嫌気する声が広がったということだ。森発言を「空気の読めない変な人」として流すのではなく、人口の半分を占める女性に対して無理解であってはいけないとする風潮が出来上がった。その風潮に多くのメディア人やコメンテーターが乗った。森さんの辞任を招いたのは国際的圧力だけではなかったと思う。