一流のビジネスパーソンには欠かせないものがある。マーケティングコンサルタントの酒井光雄氏は「政治家には『地盤』『看板』『カバン』が必要だと言われる。中身は変わるが、一流ビジネスパーソンにも『三種の神器』は欠かせない」という――。
実業家
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地盤とは「社外の人的ネットワーク力」

「地盤」「看板」「カバン」は政治家だけに必要な要素ではありません。その中味は変わりますが、すべてのビジネスパーソンにこの三種の神器は欠かせません。

「名刺の数=ネットワーク力」ではない

人生にチャンスを運んできてくれるのは、自分が築いてきた「人との縁」が発端になります。

かつて社外勉強会で異業種他社の人と知り合い、あるいはセミナーに参加して、そこで知り合った人の名刺を増やして満足している人がいました。しかしここで気になるのは、名刺の数がいくら増えても、その後に相手と親密になる人がほとんどいないことです。

業界の実力者と出会っても、相手が自分のことを記憶し、また会いたいと思ってもらえなければ、その名刺に価値はありません。名刺の数が増えても、それだけでは意味がないことに、多くの人たちは気づきました。名刺の数だけでは、人的ネットワークがつくれない典型的な例です。

あなたは「誰に知られているのか」

「俳優の○○とは同級生だった」「経営者の○○とは知り合いなんだ」と顔の広さをアピールする人がいますが、正直なところこの話もあまり意味がありません。知り合いが多いからといって、その人に実力や魅力があるとは限らないからです。重要なのは、その人が「誰に知られているか」という点です。

ひとかどの人から

「あなたに教えて欲しいことがある」
「ぜひ紹介したい人がいるんですがね」
「今度、時間をとってもらえませんか」

相手からもしこう言われたら、相手はあなたを価値ある人として認識しているはずです。

どうすればこのように人的なネットワーク力を高めることができるのでしょうか。