上場企業ではおよそ9割が導入済みという成果主義(社会経済生産性本部)。導入から数年を経たいま、「適正な評価に基づく昇格や降格が行われていない」と、制度の有効性を疑問視する声が相次いでいる。企業の業績低迷のなかで導入された本制度は、人件費削減という側面も持っていたためである。

訴訟例の1つとして注目を集めているのが、電子機器製造会社「ノイズ研究所」(神奈川県相模原市)のケース。40代の社員ら3人が、降格と減給を不服として、会社を相手取り訴訟を起こした。同社は2001年4月、就業規則を改定し、賃金制度を年功序列型から成果主義型としたのである。社員の職務を10段階(改定前は7段階)で査定し、役職や給与を決めるというものだ。

(ライヴ・アート=図版作成)