マンション価格が高騰し、戸建てに割安感が出ている。いま戸建てを買っても大丈夫なのか。スタイルアクト代表の沖有人氏は「いつか売る可能性があるならリモートワークが進んでも安易に郊外の戸建てを買うのにはリスクがある。売れることを前提に資産性が下がらない戸建ては、有望なエリアが限られている」という——。
コロナ禍に「新築分譲戸建」が売れているワケ
アベノミクス以降の金融緩和で、不動産価格は大きく上昇した。中でも図表1のグラフを見ると、マンション価格だけが上がり、戸建や土地は上がっていない。新築住宅の価格は土地代と建物代を足し合わせて決まる。都心の大規模用地は値上がりし、鉄筋コンクリート造の建築単価は上がったので、マンション価格は大きく上昇した。
これに対して、戸建は土地価格が横ばいで、木造の建築単価も横ばいだったために、価格は上がらなかった。結果として、マンションが5割も上がったのに対して、戸建価格は据え置きになったのだ。
この価格差は大きく、「戸建ての割安感」が出てきているのは事実で、コロナショック以降の「もう1部屋需要」の受け皿として新築分譲戸建が売れている。